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DCその後。

「おもしろ、おかしな」ブログを目指している私ですが、仕事ネタを書くと、なぜか反響があります。なぜでしょう?

そんなわけで、久しぶりに仕事ネタをテーマにします。今回はミールについて。

Departure Control(以下DC/他のエアラインではFlight Controlとも呼ばれている)の仕事に就いて、もうすぐ2ヶ月を迎えようとしています。最初は、“なんで私なん?”、“つらいよ、つらいよ〜。”なんて、半べそかいておりましたが、いやいや恐れ入りました。このポジションに抜擢してくれた、私のボスたちに今では感謝です。そして、私がこのポジションに向いているであろうと、よくぞ見抜いてくれていたボスたちよ、私より私のことをわかってくれていたようで、そんなみんなの元で働いている私は、やっぱり幸せなのかな〜と思ったりしている今日この頃です。

DCは、飛行機が飛ぶまで(Airborne=飛行機が離陸した時)は、お客様と顔を合わせることも(滅多に)なく、ひたすらオフィスで座席シートの画面やスペシャルミールの画面、お客様の情報と向き合っています。座席変更も、マイレージやポイントを使ってのアップグレードもすべて私がやります。(みんながやると、それはそれできっとややこしいことになるであろう。)スペシャルミール(子供ミールやフルーツプレート、ベジタリアンミールや、ヒンズー教ミールなどなど)で予約をしているお客様が来ない場合、心で「どうか来てください。」と願いながら、注文しているミール表とにらめっこ。以前も書きましたが、ミールはたっぷり余分には搭載しません。重量の問題や、もちろん経費の問題でもあります。

例えば、エコノミークラスのお客様が合計140人。スペシャルミールが10個。お客様の予約状況を考えてのオーダー数は、

・スペシャルミール 10個
・レギュラーミール 130個

となるわけです。

ここで、スペシャルミールのお客様1人がギリギリになっても来ないとします。そして、当日いきなり今日の便に乗りたいというお客様が1人来たとします。(時に、他の成田行きエアラインが突如キャンセルとなり、何人かを受け入れてくれと願ってきたりすることもあり。)すると、トータルミール数は、140個ありますが、その内のレギュラーミールが130個しかありません。となると、急遽増えたお客様には、まだ来ていないお客様のスペシャルミールしか残っていないことになります。

ミールの注文で飛行機を遅延させることは、絶対にNG。ミール会社も、当然機内食を作る時間が必要です。ファーストクラスはいつまで、ビジネスクラスはいつまで、エコノミーはいつまでといった具合に注文可能時間があります。ミールが足りなくて、お客様を受け入れられないというのは、決してしたくないことなので、DCとその日のDeparture In Charge(以下DI)の腕の見せどころ。予約を見ながら、なんとなく“この人来ないね。”みたいな勘。もちろん私にはまだそんな勘はありませんが、長年DIをしている人は、こういった“勘”が働くのです。すごい!

ミールの数合わせは、聞くと簡単そうですが、実は1番複雑な問題なのかもしれません。。。スペシャルミールの種類って、それはそれはたくさんあるんですよ〜。私も未だ勉強中。

(おまけ)
ある空港のある航空会社でのとある間違いの話。その日のDCが大変なミールの間違いをしてしまったらしい。なんと、倍の量を注文してしまい、当然飛行機に乗るわけもなく、必要もなく、残ったミールをスタッフたちでオフィスで責任もって食べたそーな。

ちょっと笑えるけど、想像しただけでも、冷や汗出て来そうな失敗談です。おーこわっ。
by kgoldmonkey | 2010-05-28 09:30 | しごと